defenseLineの裏を掻く他者

土浦通り魔の裁判に於いて,被告嘯く.
「死刑というものがなければ罪は犯さなかった」.
paradigmを異にする他者の闖入・叛乱に,此岸の我々は打つ手に窮する.臭いものに蓋をしてしまいたい衝動との葛藤を余儀なくされる.
他者たる被告の生い立ちや法廷での言動を纏めたVがやっと終わり,switcherはstudioにballを返す.心なしか,いずれの出演者にも疲弊の色が認められた.誰もが触らぬ神に祟りなしとばかりに生放送を次のphaseに運ぼうとしていた.
すんでのところで,可憐な貌をした女性が,Jeanne d'Arcの如く,眦を決したように面をあげた.
「二十数年も生きて,じぶん以外に大事なものがみつけられなかったなんて,寂しい生命だったんだなとおもいます」
赤江 珠緒は,riskを背負って,思想的に他者に斬りつけた.
その美貌にミーハー的にfanを名乗っていたが,見直した.

他者に喰い下がるいい意味での図々しさ・しぶとさは,間違いなく,今後の日本人に必要不可欠なものだ.
暴論に背を向けてはならない.しかと暴論は潰されなければならない.たとえ,暴論を以ってしてでも.